チアシードやキヌアといった、スーパーフードがテレビやSNS、雑誌で取り上げられている中、亜麻仁油も注目を集めるようになりました。
かつては、健康とは関係ないと思われていた油ですが、「体に良い油もある」と広く知られるようになり関心を集めています。
とはいえ、「体に良い」という漠然としたことしか知られていないのも事実。
ここでは、亜麻仁油の栄養素や健康効果といった基礎知識をはじめ、
- 亜麻仁油の効果を高める方法
- おすすめのレシピ
- 亜麻仁油の選び方
などについて解説していきます。
目次
亜麻仁油とは?
亜麻仁油は、「アマ」という花の種(アマニ)から取れる油です。
亜麻仁油は、体内でDHAやEPAといった栄養素に変化するα-リノレン酸(オメガ3系脂肪酸)を多く含んでいるため、動脈硬化などのリスクを低減する効果が期待できます。
一方で、亜麻仁油は一般的なサラダ油などと比べ熱に弱いという特徴があります。
炒め油など調理で熱を加えてしまうと、生臭い臭いが出てしまうため、そのまま生の状態で使うのが一般的です。
また、亜麻仁油には酸化しやすいという特徴もあるため、油の品質が低下しやすいナイーブな油でもあります。
亜麻仁油とえごま油の違い
亜麻仁油とえごま油の大きな違いは香りです。
抽出元である「アマニの種」と「えごま」はよく似ていますが、全くの別物です。
しかし、栄養素で見ると飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸・ビタミンKなど亜麻仁油の方が多く配合されている成分も一部もあるものの、実は成分自体にはあまり大きな違いはありません。
亜麻仁油はどうして人気?
亜麻仁油の人気の理由は手軽に「オメガ3系脂肪酸」を摂取できることにあります。
「オメガ3系脂肪酸」は体に必要不可欠な脂肪酸(必須脂肪酸)ですが、体内では生成できないため、食物から摂取しなければなりません。
オメガ3系脂肪酸の1日あたりの摂取目安量は、
- 成人男性:2.0~2.4g
- 成人女性:1.6~2.0g
ですが、
オメガ3系脂肪酸を1.0g摂取するためには、サンマ半身もしくは、小イワシ2尾ほど食べなければいけません。
一方で、亜麻仁油は油の約60%がオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)なので、2g程度の亜麻仁油を摂取するだけでオメガ3系脂肪酸を1.0g摂取できます。
現代人の食生活では不足しがちな栄養素ですが、亜麻仁油はオメガ3系脂肪酸の1つである、α-リノレン酸を多く含んでいるため手軽に必須脂肪酸を摂取できるのです。
ただし、亜麻仁油は大さじ1杯で110kcalと一般的な食用油とあまり変わらないため、必要以上に摂取すると太る原因になってしまうので気をつけましょう。
亜麻仁油に含まれる栄養素
亜麻仁油に含まれる主な栄養素は以下の2つです。
- α-リノレン酸
- リグナン(ポリフェノール)
その他にも、わずかながらビタミンも含んでいます。
- ビタミンA
- β-カロテン
- ビタミンE
- ビタミンK
ここでは、主な栄養素である「α-リノレン酸」と「リグナン(ポリフェノール)」について詳しく説明します。
α-リノレン酸
α-リノレン酸は、亜麻仁油の約60%を占める成分で、他の油類ではしそ油、えごま油などに多く含まれています。
α-リノレン酸は、体内で作ることができない必須脂肪酸で、抗炎症作用や脂質代謝改善作用といった重要な働きを持つオメガ3系脂肪酸に分類されています。
また、α-リノレン酸は体内でEPAやDHAといった栄養素に変換されるという特徴があります。
リグナン(ポリフェノール)
リグナンは、ポリフェノールの一種です。
女性ホルモンのエストロゲンと似た働きを持っており、更年期障害の改善やコレステロールの改善効果が期待できます。
亜麻仁油の健康・美容効果
亜麻仁油の健康・美容効果は、
- 血流の改善
- 生活習慣病の予防・改善
- 記憶力や学習能力を高める
- 美肌効果
- アレルギー症状の緩和
の5つです。
これらは、亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸による働きです。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
血流の改善
亜麻仁油に多く含まれているα-リノレン酸には、血管を柔らかくし血流を良くする働きがあります。
他にも血管内での血小板の凝固を抑える働きがあるなど、心疾患や脳疾患の原因である血栓ができにくいという効果もあります。
生活習慣病の予防・改善
亜麻仁油に多く含まれているα-リノレン酸には、コレステロールの値や血圧を下げる働きがあるため、亜麻仁油を摂取することで動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防・改善の効果も期待できます。
記憶力や学習能力を高める
亜麻仁油に多く含まれているα-リノレン酸には、体内でDHAやEPAに変換されるという特徴があります。
このDHAを十分に摂取することで、脳の機能が活性化されるため記憶力や学習能力を高める効果が期待できます。
美肌効果
亜麻仁油の主な成分であるα-リノレン酸には、抗炎症作用や脂質代謝といったアンチエイジング作用があります。
皮膚を保湿する働きがあるため、肌環境の改善に効果が見込めます。
アレルギー症状の緩和
亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸には、アレルギーの原因の1つであるリノール酸を抑える働きがあるため、アレルギーの症状を緩和させる効果が期待できます。
亜麻仁油の効果を高める摂り方
「酸化しないようにする」ことが亜麻仁油の効果を高めるポイントです。
オメガ3系脂肪酸には、熱に弱く酸化しやすいという特徴があります。
亜麻仁油に多く含まれているα-リノレン酸には、血管を柔らかくし血流を良くする働きがありますが、酸化してしまうと過酸化脂質へと変化し、下痢などの原因となる毒性のある物質になってしまいます。
過酸化脂質は消化器官で分解され毒性は弱まるものの、摂取量が多いと分解しきれず体内に吸収され、細胞機能に異常を及ぼす可能性があります。
そのため、できるだけ亜麻仁油が酸化しないよう光が当たらない場所で保管し、開封後はなるべく1ヶ月以内に使い切るようにしましょう。
また、亜麻仁油は熱を加えてしまうと、生臭さが出てしまうので、料理にかけたりドレッシングに混ぜてサラダにかけたりして摂取するのがオススメです。
亜麻仁油を使ったおすすめのレシピ
亜麻仁油は熱を加えてしまうと栄養素を大きく損なうだけではなく、体に悪い成分へと変化してしまうため、料理に使う際はドレッシングにしたり、スープにかけたり生で使うのが基本です。
ここでは、亜麻仁油を使ったおすすめのレシピを紹介します。
亜麻仁油とナッツのドレッシング
ナッツに含まれるビタミンEには、活性酸素を無毒化する働きがあります。
亜麻仁油の生活習慣病の予防効果との相性は抜群です。
【材料】
- (A)アーモンド:30g
- (A)クルミ:30g
- (A)玉ねぎ:1/8個
- (B)[はちみつ:大さじ2
- (B)粒マスタード:大さじ2
- (B)塩:小さじ1
- (B)ワインビネガー(または酢):大さじ1
- (B)亜麻仁油:大さじ2]
【作り方】
- (A)をみじん切りにする
- みじん切りにした(A)と(B)をよく混ぜ合わせ完成
亜麻仁油と豆腐のドレッシング
豆腐に含まれるイソフラボンには、高い保湿効果が期待できます。
亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸の美肌効果と相性が良いため美容を木にされている方におすすめです。
【材料】
- 絹ごし豆腐:1/2丁
- 白練りごま:大さじ1
- 塩:小さじ1
- 薄口しょうゆ:小さじ1
- 亜麻仁油:大さじ1
【作り方】
- 豆腐を水切りする
- 1を手でほぐし、白練りごまと合わせよくかき混ぜたら、その他の材料を加えて和えて完成
亜麻仁油とまいたけのスープ
食物繊維が豊富で食べごたえのあるスープです。
ダイエット効果の高いまいたけ、オクラと食物繊維が豊富なさつまいが入っているので女性にオススメです。
【材料】
- まいたけ:1パック(100g)
- オクラ:8本
- さつま芋:小1本(200g)
- しょうが:1片
- 塩:小さじ1
- 食用油:大さじ1
- 亜麻仁油:大さじ1~2
【作り方】
- まいたけの石づきを取り、手でほぐします。オクラは薄く小口切り。さつま芋は3cm大の乱切り。しょうがはみじん切りにする
- 鍋に、食用油を引きしょうがを入れて弱火にかけます。香りが出てきたら、まいたけを入れて中火にし、まいたけがしんなりするまで炒める
- さつま芋と水2と1/2カップを加え、沸騰したら蓋をする。弱火でさつま芋が柔らかくなるまで10分程煮込む
- 火を止めてオクラを加ええる。塩で味を調えたら、常温になるまで待つ。器に盛り、亜麻仁油をかけて完成
亜麻仁油の選び方・オススメの紹介
高品質の亜麻仁油を選ぶポイントは、以下の5つです。
- 「低温圧搾法」のものを選ぶ
- 「遮光容器」かつ「瓶タイプ」を選ぶ
- できるだけ未精製のものを選ぶ
- 1ヶ月程度で使いきれる量のものを選ぶ
- なるべく「JAS」「BIO」「USDA」などのマークがあるオーガニックのものを選ぶ
それぞれについて説明していきます。
「低温圧搾法」のものを選ぶ
亜麻仁油を購入する際は「低温圧搾法(コールドプレス法)」と記載されているものを選びましょう。
「低温圧搾法(コールドプレス法)」は熱を加えず圧力をかけてゆっくり丁寧に油を搾り取る方法です。
基本的に油は、原材料を高温にして強い圧力をかけて油を抽出するのが一般的ですが、亜麻仁油は熱に弱いため、熱を加えてしまうと本来の栄養素が損なわれてしまいます。
また、亜麻仁油の品質を低下させてしまう「酸化」にもつながります。
「遮光容器」かつ「瓶タイプ」を選ぶ
亜麻仁油を選ぶ際は、光を通しにくい「遮光容器」かつ「瓶タイプ」のものを選びましょう。
亜麻仁油は日光だけではなく蛍光灯でも酸化してしまうほどナイーブな油です。
酸化してしまうと本来の栄養素が失われるだけではなく、細胞の老化を促してしまう過酸化脂質に変化してしまいます。
できるだけ未精製のものを選ぶ
亜麻仁油を選ぶ際は、「未精製」と記載されたものを選びましょう。
亜麻仁油には、そのまま絞った未精製亜麻仁油と調整された精製亜麻仁油の2種類があります。
精製亜麻仁油は、無味無臭でほんのりとした苦味もなく非常に摂取しやすくなっておりますが、同時にその分栄養素も失われています。
また、添加物も多く含まれる傾向もあります。
未精製亜麻仁油は、手を加えられていない純粋な油なので、本来の栄養素そのまま摂取することができます。
1ヶ月程度で使いきれる量のものを選ぶ
亜麻仁油を購入する際は、1ヶ月くらいで消費できるものを選びましょう。
亜麻仁油は酸化しやすい油なので、開封後1ヶ月ほどが本来の栄養素のまま摂取できるリミットです。
なるべく「JAS」「BIO」「USDA」などのマークがあるオーガニックのものを選ぶ
健康効果をより高める高品質な亜麻仁油を購入したいという方は、「JAS」「BIO」「USDA」といったオーガニックの認証を受けたものを選びましょう。
ラベルや成分表に記載されているのでしっかりチェックしておきましょう。
仙台勝山館の亜麻仁油がオススメ
仙台勝山館の亜麻仁油は、カナダ産の最高品質のアマの種子を時間をかけ丁寧に圧搾した無精製の油です。
現地で瓶詰めを行い、高温地域を避けた航路で輸送されているので高品質な状態が保たれています。
仙台勝山館の亜麻仁油は、他にも
- 化学溶剤不使用
- 低温圧搾で無添加、無精製
- オメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)60%以上含有
といった特徴があるため、亜麻仁油が持つ本来の健康・美容効果を最大限に活かせる商品です。
- 仙台勝山館亜麻仁油 230g
- カナダ産最高品質の亜麻の種子を低温圧搾した無精製の油です。オメガ3脂肪酸が60%以上と高い割合で含まれています。
1,944円(税込)
詳しくはコチラ
まとめ
亜麻仁油を摂取することで以下のようなさまざまな効果を得ることができます。
- 血流の改善
- 生活習慣病の予防・改善
- 記憶力や学習能力を高める
- 美肌効果
- アレルギー症状の緩和
これらの効果を高めるために、摂取する際は亜麻仁油の劣化の原因となる「熱」と「酸化」に気をつけましょう。
また、高品質な亜麻仁油を購入する際は、
- 「低温圧搾法」のものを選ぶ
- 「遮光容器」かつ「瓶タイプ」を選ぶ
- できるだけ未精製のものを選ぶ
- 1ヶ月程度で使いきれる量のものを選ぶ
- なるべく「JAS」「BIO」「USDA」などのマークがあるオーガニックのものを選ぶ
といったポイントに気をつけて選びましょう。
高品質な亜麻仁油を選び、効果をしっかり引き出す方法で摂取し、美容・健康効果を感じてください。