2022年にテレビ朝日『やべっちFC』で放送された特集の中で、
サッカー日本代表・長友佑都選手が語った「ケトン体回路にしたい」という言葉。
当時から話題となり、現在も彼の食事哲学の象徴として多くのアスリートに影響を与え続けています。
本記事では、最新の栄養知識も踏まえながら、長友選手が目指す「ケトン体回路」とその食生活の背景を解説します。
目次
ケトン体回路とは?脂質を“燃やす”新しいエネルギー代謝
一般的に私たちの体は、炭水化物(糖質)から得られるグルコース(ブドウ糖)を主なエネルギー源としています。
一方、「ケトン体回路」とは、脂質が分解されて生成される“ケトン体”をエネルギー源として使う代謝経路のこと。
ケトン体は、糖質が少ない状態(=糖質制限やファスティング中)で肝臓が脂肪酸から作り出す物質で、
筋肉や脳、心臓のエネルギー源としても利用されます。
長時間のパフォーマンス維持に強い理由
糖質をエネルギーに変える「解糖系」は早く枯渇しますが、
脂質を燃やす「ケトン体回路」は、持久力を要する運動時に安定したエネルギー供給が可能です。
サッカーのように90分間走り続ける競技では、脂質エネルギー代謝の活性化がパフォーマンス維持につながると考えられています。
脳の集中力アップにも
近年の研究では、ケトン体が脳の神経細胞のエネルギー効率を高めることも報告されています。
ブドウ糖に比べて血糖変動が起きにくく、安定した集中状態を保ちやすい点もアスリートが注目する理由の一つです。
長友佑都選手の食生活にみる“脂質中心”の哲学
長友選手は、かねてから「食事もトレーニングの一部」と語るほど、日常の食事管理にストイックなことで知られています。
実践している食事内容には、明確な意図が見られます。
1.糖質を抑え、良質な脂質を積極的に摂る
過去の番組では、以下のような食事が紹介されました。
- わかめときゅうりの酢の物
- アスパラガスとアボカドのサラダ
- ブロッコリーとアーモンドのミルクスープ
- マグロのソテー
- 納豆
いずれも糖質を抑えつつ、オメガ3脂肪酸・中鎖脂肪酸・食物繊維を多く含む構成です。
炭水化物中心の食事を減らし、脂質とたんぱく質でエネルギーを補う「ケトジェニック食」に近いスタイルといえるでしょう。
2.夜は炭水化物を控える
夜間は活動量が減り、摂取した糖質がエネルギーとして使われにくくなります。
長友選手が「夜は炭水化物を控える」と公言しているのも、体脂肪の蓄積を防ぐため。
炭水化物を摂りすぎると血糖値が急上昇し、インスリンが過剰に分泌されて脂肪をため込みやすくなります。
その一方で、糖質を抑えることでケトン体が生成されやすい体質へと切り替わり、より効率的な脂質代謝が期待できます。
MCTオイルが支える「ケトン体回路」づくり
MCTオイル(中鎖脂肪酸油)は、長友選手のように脂質エネルギー代謝を高めたい方に最適なオイルです。
一般的な脂質(長鎖脂肪酸)よりもすばやく吸収・分解され、短時間でケトン体に変換されるという特性を持っています。
そのため、
といった目的で、アスリートやボディメイク志向の方に広く利用されています。
まとめ:脂質エネルギーで走り切る時代へ
「ケトン体回路をつくる」という長友佑都選手の言葉は、
単なる食事法ではなく、自分の体と真剣に向き合う姿勢そのものを象徴しています。
糖質に頼らず、脂質をエネルギーに変える体づくりは、
アスリートだけでなく日常生活をアクティブに過ごしたいすべての人に通じる考え方です。