かつては「太る」と悪者扱いをされることが多かったオイル。
ここ数年は「体にいいもの」として、テレビや雑誌で注目されていますね。
以前のコラムでも「油脂の働き」や「脂肪酸」など、いろいろとお届けしてきましたが、10月の1カ月間は、「オイルを知ろう」と題し、オイルの動きや魅力をあらためてご紹介していきます。
1回目は「オイルの働き」についてです。一緒にオイルマスターになりませんか?
脂質はエネルギーになる
「たんぱく質」「糖質(炭水化物)」「脂質(オイル)」は三大栄養素と言われ、私たちの生命維持や身体運動に欠かせないエネルギー源です。
「たんぱく質」は、筋肉や血液、皮膚などをつくる栄養素として利用されます。
「糖質」と「脂質」はどちらも体のエネルギー源ですが、よく「焚き火」に例えられます。
活動エネルギーを炎とすると「糖質」は「枯れ葉」、「脂質」は「薪」。
「枯れ葉」はすぐに着火しますが、短時間で燃え尽き、「薪」は着火に時間がかかりますが、長く燃え続けます。
言い換えると、「糖質」は、体内で素早く分解され活動エネルギーとなりますが、長持ちせず、「脂質」は、瞬発力はありませんが、エネルギーが長続きします。
じゃあ、どちらもたくさん摂ればいいのね!と思いますが、それは違います。
「糖質」は貯蔵できる量や貯蔵できる臓器が限られているため、摂りすぎると皮下脂肪として体に蓄積してしまうのと、「タンパク質」を糖化し、老化や機能低下を速めるという悪影響が。
「脂質」は、少量でもエネルギーが持続し、三大栄養素の中で最も高いエネルギー源なんです。
体は脂質でできている⁉
細胞や臓器は「脂質」でできています。
というのも、人間の体は「細胞」でできていますよね。
細胞のひとつひとつの外壁である「細胞膜」は、実は「脂質」でできています。
また、「脳」に無数にある神経細胞の膜も脂質が多く含まれていて、「脳」の水分を除くと60~70%が「脂質」で構成されています。
さらに「副腎皮質ホルモン」と「性ホルモン」は「脂質」を原料とています。
生きるのに欠かせない「ホルモン」の一部も「脂質」なんです。
美容にも脂質が関係している!
「脂質」は、肌や髪の潤いにも大きく関わっています。
良質な「オイル」を摂ることとで、肌細胞の「細胞膜」の状態がよくなると、肌や頭皮の新陳代謝が活発になります。
代謝とともに生み出される保湿成分「セラミド」の産生が活発になったり、毛穴が詰まりにくくなって皮脂がスムーズに出たり、「潤いのもと」がたくさん生まれます。
それ以外にも、アレルギーの軽減や便秘の解消にも力を発揮します。
美容のためには、良質なオイルは欠かせないんですね。
このように「脂質」は、体に重要なエネルギー源だけでなく、ホルモンや細胞膜を構成し、美容にも役立つ栄養素なんですね。
では、どんな「オイル」でもいいのでしょうか?
「良質なオイル」を知るために、オイルを知ろう!vol.2は、「脂肪酸」についてご紹介していきます。