最近よく聞く「ローカーボダイエット」。
コンビニやスーパーでも「ローカーボ」の文字を見かけることも多いですよね。
でも、そもそも「ローカーボ」って何?どういうダイエットなの?と思っている方も多いはず…。
簡潔に言ってしまえはローカーボダイエットは「食べるだけ」のダイエット。
食事(カロリー)制限はしたことがあるけど、すぐリバウンドしてしまった…という人も必見です。
ローカーボとローカーボダイエットの仕組みを理解してリバウンドしにくい、自由で美味しい&栄養たっぷり健康な&楽しいダイエットを目指しましょう!
目次
ローカーボとは
まず初めに「ローカーボ」とは、英語で言ってしまうと「ローカーボ(low-carbohydrate)」の略称で三大栄養素である「糖質(炭水化物)」を控える食事方法のこと。
「ローカーボ」はローカーボ(R)協会が提唱する「おいしく楽しく適正糖質を取ること」を指し、「適正糖質」を摂取することにより血糖値の急上昇・急降下を抑え、食事から健康になることを目的としています。
ローカーボとダイエットとの関係は?なぜ痩せるの?
みなさんはダイエットと言えばどんなダイエットを思い浮かべますか?
- 運動
- 筋トレ
- 食事制限(カロリー・脂質・量・○○を食べる など)…
など、大きく言えばこの3つが上がると思います。
ローカーボは前述の通り「適正糖質を摂取すること」。
つまり、現代人が摂りすぎている「糖質=炭水化物」を適正量まで下げる食事方法。
今まで主流だった食事制限方法「カロリー制限」「油を控える(脂質制限)」「食事量自体を減らす」などの制限は一切なし、糖質量だけに注意する新しい「食事方法」なのです。
~「ローカーボ」の提唱する適正糖質とは?~
食・楽・健康協会は、1食で摂取する糖質量を20~40gにするという、適正糖質を提唱しています。ローカーボは、極端な糖質制限も含んでしまう概念ですので、食・楽・健康協会の推奨する適正糖質はそれと区別し、「ローカーボ」と呼ぶことにしました。
ちなみに、今の一般的な日本人の食生活では、1日に300gくらいの糖質を摂取しています。おにぎり2個と野菜ジュースだけで100gくらいになってしまうのです。
(ローカーボとは|ローカーボオフィシャルサイトより)
では、なぜ「ローカーボ」から「ダイエット効果」が期待できるのかを説明したいと思います。
「糖質」ってどんなもの?
糖質は、日々無意識に摂取している栄養素です。
例えば、
- 主食の「お米・パン・麺類」
- 野菜では「イモ類」
- 何気なく飲んでいる「甘いジュースやコーヒー」
- おやつでは「ケーキやクッキー」
- お酒では「ビールやカクテル」など
「砂糖」以外にも身近な食品・食材に含まれ、日々無意識に摂取している栄養素だということがわかると思います。
脂肪を燃焼させるには「糖質」は邪魔になる?!
「糖質と脂肪って関係あるの?脂質の間違いじゃ?」と思っている方もいると思いますが、間違いじゃないんです。
「過剰な糖質の摂取」は、「脂肪の蓄積」と深く関係があります。その理由をみていきましょう。
血液内の糖が増えると、「インスリン」が発生する
糖質は体内に吸収されると「ブドウ糖」に変換されます。
ブドウ糖は筋肉や脳を動かすために使われ、人間が活動するための重要なエネルギー源です。
また、ブドウ糖をエネルギーにするため血液中にブドウ糖が増えると「血糖値」が上がった状態となり、これを正常値に戻すためインスリンというホルモンが分泌されます。
「インスリン」は脂肪を蓄える
しかし、このインスリンというホルモンは摂りすぎて使い切れなかったブドウ糖を中性脂肪に変換し、ブドウ糖が枯渇した際の予備エネルギーとして蓄える性質を持っているのです。
予備エネルギーとして蓄えられたものこそ、ダイエットで減らしたい「脂肪」そのもの。
つまりどんなにカロリーを制限しても、油を控えても、食事量を減らしても「糖質」を摂りすぎればインスリンが働き、脂肪は増えてしまうのです。
カロリーが高くても「糖質」が含まれなければ脂肪は増えにくい
「糖質」を摂りすぎればインスリンが働き、脂肪は増えてしまいます。
しかし、逆に言ってしまえばカロリーが高くても「糖質」が含まれなければ脂肪は増えにくいのです。
余分な糖質を控えインスリンをコントロールすることが「ローカーボ」の食事法と重なるた「ローカーボ=ダイエット効果が期待できる」という訳です。
じゃあ、ダイエット時に「糖質」を食べなければいいの?
答えから言ってしまえば「Yes」。しかし「糖質食べない」だけでは「No」。
糖質は三大栄養素に数えられる大事な栄養素。糖質の役割を知り、糖質に代わるエネルギー源を用意してあげなければ、それはただのカロリー制限でしかありません。
三大栄養素「糖質」「タンパク質」「脂質」はそれぞれ体に対し重要な役割を担っています。(下図参照)
糖質 | 体や脳を動かすためのエネルギーになる。 |
タンパク質 | 筋肉や骨、皮膚や髪の毛など体を作る。 |
脂質 | 細胞膜を生成し、体を健康保つ。ビタミンの吸収を助ける。 |
現代人の食生活で主要なエネルギー源となっている「糖質」を減らすと言うことは「タンパク質」「脂質」で「糖質」分のエネルギーを補完してあげなければなりません。
確かにカロリー制限は早く痩せられるかもしれませんが
- エネルギー不足を感じる、常に怠い
- 頭がぼーっとする、やる気が出ない
- いつもお腹がすいている、我慢できない空腹感に襲われる
- 便秘になる、肌や髪がかさつく
など、栄養やエネルギーが不足したことによるデメリットがいっぱい。
辛いカロリー制限を乗り超え、痩せた!と喜んだ後に食事を元に戻したら体重もすぐに戻ってしまったなどのリバウンドも糖質・血糖値・インスリンの関係を理解すると納得ですよね。
適正糖質を摂る「ローカーボ」でストレスフリーなダイエットを!
「糖質」をゼロにし「タンパク質」「脂質」で補えれば理想ですが、糖質がゼロの食材って実はすごく少ないんです。
また、今まで大好きだった「ご飯」「パン」「甘いもの」が食べられなくなると言うのはストレスが強く、長続きしないもの。
ローカーボは糖質を減らし、おかずをお腹いっぱい食べる食事方法。
ご飯は今までの1/3~半分に野菜やお肉・お魚などおかずはたっぷり食べて大丈夫なのです。
また、適正量の糖質を摂っているのでカロリー制限のような症状も出にくくデメリットもほぼありません。
いつもの食事から主食を減らしおかずの量を増やすだけ。特別なことは何も必要なく今日からダイエットがスタートできるなんて気軽で楽ちんですよね。
やってみよう!ローカーボダイエットの方法
ローカーボダイエットは始めに申し上げた通り「食べるだけ」のダイエット。もっと具体的に言えば「糖質量に気を付けた食事に変えるだけ」。
では、どうやって「糖質量に気を付けた食事に変えるだけ」を実践していくのか、まずは普段から食べている「普通の食事」1食あたりの糖質量を考えてみましょう。
主食がお米の場合
ご飯1膳分(150g)の糖質量は約55g、これだけで1食分の推奨量をオーバーしてしまいますね。
野菜やお肉、実は調味料にも糖質は含まれているため、おかずやお味噌汁が加わる「普通の食事」をしたら1食につき80~100gなんてことに。
80gを3食食べると総糖質量は「240g」、これは角砂糖約60個分に相当します。
主食がパンの場合
食パン6枚切り1枚(60g)の糖質量は約27g、意外と少ないな?と思った方は大間違い。
2枚食べれば糖質も倍の54g、砂糖がたっぷり使われたフルーツジャムを塗ればそれだけ糖質量が上がります。
パンによく合う、シチューやグラタン、コーンスープも意外に高糖質。シチューのルゥやグラタンのホワイトソースには小麦粉がたくさん使われており、コーンスープの原材料トウモロコシも糖質がやや高めの食材です。
振り返ってみると、無意識に糖質をたくさん摂ってしまいがちなことが分かりますね。
主食以外にもおやつにポテトチップスやクッキー、ミルクチョコレートやおせんべいを食べ、甘いジュースや砂糖入りのコーヒー・紅茶を飲んでしまうと、日の総糖質量300gオーバーなんてあっという間です。
まずは、主食の量を半分にするところから
とは言え、いきなり「ご飯・パンを食べない!」と言った極端な食事に変えるのは、やや乱暴でストレス。「じゃあ、何を食べたらいいの?献立は?」と言った日々の悩みにもつながってしまいます。
そのため、まずは主食の量を半分にすることから始めましょう。お茶碗に盛るご飯をいつもの半分にするだけです。
ご飯を減らした分、おかずの量を増やしましょう。おかずは量を増やすでも1品追加するでもどちらでもOK!
これだけで、1回の食事の糖質量を1/3~半分近く減らすことが可能です。仮に糖質量が半分減るとすると1回40g×3食で総糖質量を120gで済ませることが出来ます。
おかずの量を増やしているので、満足感・満腹感やカロリー量もキープでき、生活するためのエネルギー不足の心配もありません。
たとえば、いつもの献立をこんな感じにするだけで、糖質量を約半分に減らすことができます。
例1)
ご飯:1膳+お味噌汁+生姜焼き2枚+サラダ(小盛)
↓
ご飯:0.5膳+お味噌汁+生姜焼き3枚+サラダ(大盛)
例2)
ご飯:1膳+お味噌汁+焼き魚1尾+卵焼き
↓
ご飯:0.5膳+お味噌汁+焼き魚1尾+卵焼き+納豆1パック
1日にとっていい糖質量
「ローカーボ」の考え方では1食あたり糖質「20~40g」が推奨されています。
1食の糖質量の多くは主食が占めており、やはり一番簡単なのは主食量を抑えること。
下の表に主食を1食分と半分にした場合の糖質量をまとめたのでぜひ参考にしてください。
主食の糖質量一覧
食材 | 1食分 | 半分 |
ご飯1膳(150g) | 55g | 27.5g |
食パン6枚切り1枚(60g) | 27g | 13.5g |
うどん(250g) | 52g | 26g |
パスタ(100g) | 69.5g | 34.75g |
ラーメン(200g) | 55.8g | 27.9g |
1食では推奨量を超えてしまう主食も、半分にすれば全て推奨量の範囲内で収まるます。
ここにおかずや調味料の糖質が加わってもパスタ以外は40g以内に収まるでしょう。
このようなロジックで考えれば「ローカーボダイエット」はとても簡単なのです。
ローカーボダイエットで気を付けたい食材
主食の糖質量に気を付けられるようになったからと言って「ローカーボダイエット」は完了ではありません。
主食以外にも思いの他「高糖質」な食材が存在します。
代表的なものをあげると「イモ類」。食物繊維も豊富ですが、糖質もたっぷり。少量なら問題ありませんが、食べ過ぎや主食とメインおかずにイモ類を使う際は要注意。
昨年の春~夏に大ブームを起こした「タピオカ」。タピオカは「キャッサバ」と言うイモから作られているため高糖質。ミルクティーにもお砂糖が入っているので超高糖質ドリンクなのです。
★意外と高糖質!気を付けたい食材代表例
穀物類 | お米、小麦 |
野菜 | ジャガイモ、サツマイモ、玉ねぎ、人参、かぼちゃ、トウモロコシ、パプリカ、トマト など |
豆類 | あずき、エンドウ豆、インゲン豆 |
乳製品 | 牛乳、ヨーグルト |
調味料 | 砂糖、みりん、めんつゆ、ケチャップ、中濃ソース など |
飲み物 | ジュース、加糖コーヒー、ビール、日本酒、梅酒 など |
★食べてOK!低糖質な食材代表例
穀物類(代替品) | 低糖質(ブラン)パン、こんにゃく米、カリフラワー米、ブロッコリー米 |
野菜 | ブロッコリー、カリフラワー、アボカド、ダイコン、葉物野菜、キャベツ |
肉・卵 | 全般(加工肉の場合、砂糖が使われていないもの) |
魚介類 | 全般(加工品、缶詰、味付き干物などは注意) |
キノコ類 | 全般 |
豆類 | 大豆、えだまめ、大豆加工品(豆腐、納豆、油揚げ、きな粉など)、ナッツ類 |
乳製品 | チーズ、バター、生クリーム |
調味料 | 醤油、マヨネーズ、穀物酢、ポン酢、豆板醤 など |
飲み物 | ブラックコーヒー、ストレートティー、豆乳、焼酎、ワイン、ウィスキー(ブランデー) |
比べて見ると食べて良い食材の方が多いような気がしますね。
高糖質グループの調味料も味付けに少量使う分には問題ありませんし、ほとんどの調味料で低糖質に仕上げたものが販売されています。
チョコレートだって大丈夫!低糖質なおやつ
食べていい食材が分かったところで、食事以外にも目を向けてみましょう。
小腹が空いた時に手を伸ばす「おやつ」。ダイエット中だから…無理に我慢するより、食材を選んでノーストレスに過ごしたほうが◎ですよね。
ナッツ類
アーモンドやクルミ、カシューナッツなど乾燥ナッツは低糖質食材。
しっかり噛むことで「食べた感」と「満腹感」が得られ、体内で生成出来ない必須脂肪酸(オメガ3、6)も多く含まれてるので一石二鳥のおやつです。
ハイカカオチョコレート
カカオ含有率が高いチョコレートは実は低糖質。カカオ含有率70%以上のチョコレートにはポリフェノールが多く含まれているため、アンチエイジングや生活習慣病の予防も期待できます。
チーズ
チーズは代表的な低糖質食材の一つ。おやつに6Pチーズ2~3カケ、切れてるカマンベールチーズ2切れなどを食べるだけで満腹感があります。
お酒を飲むなら、蒸留酒!
穀物や果物から作られることが多いお酒ですが、お酒になる過程で蒸留されているものはほとんど糖質0!
炭酸水も糖質がないため、ウィスキー+炭酸水でハイボールを作ったり、焼酎をウーロン茶で割ってウーロン杯などもOK!
意外ですがフルーツ由来のワインも低糖質。赤ワインにはチョコレートと同様にポリフェノールが含まれているので、抗酸化作用が期待できます。
一方、ビール・日本酒・梅酒・果実酒は要注意!こちらは原材料がそのまま使われているので糖質も高めとなっています。
カクテルもベースが焼酎で低糖質!と思いきやジュースやコーラで割ってしまうとたちまち高糖質に…。
ローカーボダイエット中に外せない飲み会が入った時は蒸留酒を選んでみてくださいね。
お酒を飲むならおつまみも!
ここまで読んでいただいたら、もうお分かりかと思いますが低糖質食材を応用しておつまみを作ってしまえばOK。
例えばチーズと生ハムとナッツをお皿に盛るだけで立派なおつまみに。
筆者個人のおすすめ低糖質おつまみは常温に戻したクリームチーズにいぶりがっこを刻み混ぜ最後にオリーブオイルをかけたものです。
買い物するときに、具体的に気を付けるポイント
糖質に気を付けるとは言っても、表以外の食材の方が多く、どうすればいいか分からない!そんな時は以下のことに注意してみてください。
野菜なら根菜と味に注意
糖質が高めの野菜の特徴として「根菜」「味が甘い」ものとなります。
根菜の代表例として上げている「ジャガイモ」「玉ねぎ」「人参」は自然な甘さがありますよね。
根菜以外にも「トマト」「トウモロコシ」「パプリカ」は野菜自体が強い甘みを持っています。
いかがでしょうか?糖質を知らなくても見分けれられそうですよね。
肉・魚・キノコは糖質ほぼ0
肉類・魚介類・キノコは糖質がほとんどないため、何を選んでもOK。
ただし、味付け加工肉、焼肉のたれ、みりん干しなどは砂糖が使われている可能性があるため、次で説明する栄養成分表示を見て確認しましょう。
加工品に必ずついている栄養成分表示を見よう
加工食品にはほぼ「栄養成分表示」表が記載されています。
エネルギー(カロリー)、タンパク質、脂質、炭水化物(糖質・糖類・食物繊維)、食塩相当量の5種が記載されています。
ローカーボで確認すべきは「炭水化物」。
炭水化物も正確には「糖質」「糖類」「食物繊維」の総量になりますが、とりあえずは「炭水化物=糖質量」と考えてOK。
もし、栄養成分表示がなかった場合は「原材料名」を確認しましょう。
「原材料名」は食品に含まれる食材が多い順番に記載されています。食材が10品目載っていて2品目目に「砂糖」と書いてあれば、2番目に多く砂糖が使われていると言うことです。
ローカーボダイエットの疑問Q&A
Q.食べても痩せられるなら、いくらでも食べていいの?
A.
ローカーボダイエットは始めに説明した通り、血糖値をコントロールするダイエット方法。
糖質が少ない食材を選ぶことにより、太りにくく痩せやすい食事を目指しています。
糖質を減らした分のエネルギー補充は必要ですが、タンパク質・脂質由来のエネルギーでも過剰に摂取すれば体に蓄積されてしまいます。
成人のカロリー摂取量を一つの目安に、自分の運動量・生活スタイルからベストな食事量を見つけコントロールすることが大切です。
(参考:農林水産省 実践食育ナビ)
Q.タンパク質と脂質は太ってしまうイメージがあります。
A.
タンパク質、脂質で太るイメージは体のエネルギー回路が糖質を優先的に使用するように出来ているためです。糖質がたくさんある状態では糖質だけでエネルギーが足りてしまうためタンパク質、脂質のカロリーが蓄積されてしまいます。
ローカーボダイエットは糖質を控え血糖値をコントロールすることで、タンパク質・脂質が脂肪として蓄積されにくく、またエネルギーとして使用できるよう回路を作り替えることが重要です。
まとめ
いかがでしょうか?
今日から簡単に実践できる「ローカーボダイエット」、まずはちょっとだけ意識を変えてお手軽楽ちんダイエットを始めましょう!