本物のオリーブオイルとは?種類や選び方を徹底解説

ガラスの器に入ったオリーブオイルの周りに白い実と緑の葉を丸く並べた様子

MCTオイル

地中海沿岸地域でよく使われており、日本でも「健康によい」としてメジャーになったオリーブオイル。

そんなオリーブオイルについて、「日本で売られている商品はほとんど偽物」と耳にしたことがありませんか?

実はこの話、本当なんです。

日本で売られているオリーブオイルは、国際基準に照らし合わせると「偽物」と判断されてしまうことがあります。

この記事では、

  • 国際基準で「本物」とされるオリーブオイルはどんなものか
  • 本物のオリーブオイルを選ぶポイント

などを解説していきます。

間違いなく本物のオリーブオイルが選べるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください!

本物のオリーブオイルとは?

ガラス瓶に入ったオリーブオイルと緑色のオリーブの実

結論からお伝えすると、「本物のオリーブオイル」とは国際基準を満たした高品質なオリーブオイルのことです。

「国際基準」と「高品質の条件」はどのような内容なのか、解説していきます。

そもそもオリーブオイルは9種類に分かれる

ガラスの器に入ったオリーブオイルの周りに白い実と緑の葉を丸く並べた様子

スーパーでもよく売られているオリーブオイルですが、実は単純に「オリーブの実から絞ったオイル」というわけではありません。

国際オリーブオイル理事会によって決められた「オリーブオイル」の定義は、以下のとおりです。

“オリーブ樹(Olea europaea L.)の果実のみから採油されたもので、溶剤の使用、再エステル化等の処理を一切行わずに採油されたオイル。 他のいかなる種類のオイルも混入してはならない。”

また、オリーブオイルは製法によって「バージンオリーブオイル」とそうでないものに分類されます。

そこから、オイルの酸化度合いを示す「酸度」と風味によって、さらに4種類に分類されるんです。

バージンオリーブオイルの定義とその分類を以下にまとめました。

“オリーブ果実から、特にオイルの変質をもたらさない温度条件下で機械的または他の物理的な方法だけで得られたオイル。洗浄、デカンテーション、遠心分離、濾過以外の処理を行っていないもの。”

つまり「バージンオリーブオイル」は、オリーブの実だけを原料にし、加熱や化学的な処理をおこなわずに作られたオイルということです。

名称 特徴
エキストラバージンオリーブオイル 酸度0.8%以下 味・風味に欠陥なし
バージンオリーブオイル 酸度2.0%以下 味・風味にほぼ欠陥なし
オーディナリーバージンオリーブオイル 酸度3.3%以下 味・風味は良好
ランパンバージンオリーブオイル 酸度3.4%以上 味・風味に欠陥あり

バージンオリーブオイル以外のオリーブオイルも、素材や特徴によって以下5種類に分類されます。

名称 特徴
精製オリーブオイル バージンオリーブオイルを精製したもの
オリーブオイル 精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルを混ぜたもの
クルードオリーブポマスオイル 溶剤を使い、オリーブの搾りかす抽出したオイル(主に工業用)
精製オリーブポマスオイル 上記オイルを精製して食用にしたもの
オリーブポマスオイル 精製オリーブポマスオイルとバージンオリーブオイルを混ぜたもの

上記の規格が、国際オリーブオイル理事会によって定められた、いわば国際的なオリーブオイルの基準。

しかしオリーブオイルの規格は、実は日本農林規格(JAS)と国際オリーブオイル理事会で大きく異なっているんです。

実は偽物!?日本のオリーブオイル事情

木のテーブルに置いたオリーブオイル入りの瓶に、トマトとバジルを添えた様子

国際オリーブオイル理事会によって定められた規格では、原材料や製法によってオリーブオイルが9つに分類されます。

しかし日本農林規格(JAS)には、オリーブオイルの分類が「オリーブ油」と「精製オリーブ油」の2つしかありません。

JAS規格の名称 特徴
オリーブ油 オリーブ特有の香味を有し、おおむね清澄であること。(酸価2.0以下=酸度1.0%以下)
精製オリーブ油 おおむね清澄で、香味良好であること。(酸価0.60以下=酸度0.3%以下)

【JAS規格の酸価と国際規格の酸度は異なるもので、「酸価×0.503」*という計算方法を用いると酸度を算出可能】
(※ 参考:海外産オリーブオイル・バルサミコのヴィボン|用語集

このように日本の規格と国際的な規格では、オリーブオイルの分類方法がまったく異なります。

「日本のオリーブオイルは偽物が多い」と言われているのは、この規格の違いが理由。

つまり、国際的な規格ではエキストラバージンオリーブオイルと呼べないものも、日本では「エキストラバージンオリーブオイル」として販売されている場合があるんです。

では、日本で「本物のエキストラバージンオリーブオイル」を購入するためには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか?

続いては、具体的な選び方やチェックすべきポイントを解説します。

本物のオリーブオイルを見分ける!ポイント・選び方を解説

本物かつおいしいエキストラバージンオリーブオイルを見分けるためのポイントは、以下の4つです。

  • 容器が遮光素材
  • オイルの酸度が0.8%以下
  • オーガニック(有機栽培)のオリーブを使用
  • 品評会で受賞歴がある

各ポイントを具体的に解説していきます。

容器が遮光素材

遮光瓶と白い器に入ったオリーブオイルを木目のテーブルに並べた様子

まず確認したいポイントが、「オイルの容器が遮光素材かどうか」です。

オリーブオイルは光や空気に触れると酸化が進んでしまい、風味や油の質が劣化していきます。

生産者目線では、手間暇かけて作ったオリーブオイルほど、できるだけ酸化しないように配慮したいもの。

つまり高品質なオリーブオイルほど、できるだけ酸化しないような容器が採用されていると考えられるんです。

なかには色付きのプラスチック容器に入ったオリーブオイルもありますが、プラスチックは酸素を透過しやすいので、あまりおすすめできません。

遮光瓶や金属容器、陶器製のボトルに入っている商品を選びましょう。

オイルの酸度が0.8%以下

圧搾器から流れ出す一番搾りの油

オイルの酸化度合いを示す「酸度」も、オリーブオイルを選ぶ上では重要です。

国際オリーブオイル理事会では、酸度0.8%以下のものを「エキストラバージンオリーブオイル」としています。

ですので、商品ラベルやウェブサイトの商品ページで酸度を確認できる場合は、酸度0.8%以下のものを選びましょう。

なかでも酸度0.3%以下のオリーブオイルは、特に高品質で香りも抜群によいといわれています。

オーガニック(有機栽培)のオリーブを使用

木に実ったオリーブオイルの実

オリーブの実が「有機栽培(オーガニック)かどうか」も、おいしいオリーブオイルを選ぶひとつのポイントです。

オーガニックのオリーブは、農薬や化学肥料を使わず手間暇をかけて作られているため、質が高くなる傾向にあります。

また残留農薬などの心配がなく、栄養面以外でも体に良いオリーブオイルといえます。

オーガニックにもさまざまな規格があるので

  • 有機JAS
  • USDA(米国農務省)認定オーガニック
  • ICEA(イタリアのオーガニック認証機関)認定

などの認証マークを目印に、商品をチェックしてみてください。

品評会で受賞歴がある

周りにオリーブの葉を添えたガラス容器入りのオリーブオイル

オリーブオイルには、酒や茶葉と同じように品評会が多数存在します。

品評会で評価されるのは、酸度以外にも、味や香りなどさまざま。

総合的な観点で評価される品評会の受賞歴は、味と品質が信頼できるバロメーターになります。

小規模な品評会ではなく、国際的な品評会で受賞していることがポイントです。

ただし生産規模によっては品評会に出品できない場合もあるので、受賞歴がないからといって品質が悪いわけではありません。

おすすめの高品質なオリーブオイル

オリーブオイルとオリーブの実

「いろいろな選び方のポイントがあるけれど、わかりやすい基準はないの?」

と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなときは、まず「原材料の生産国」をチェックしてみましょう。

オリーブオイルはイタリア、スペイン、ギリシャなど、地中海沿岸の地域で盛んに作られています。

地中海沿岸の寒暖差がある気候で育ったオリーブは、引き締まった実が特徴です。

まとめ

この記事では、「本物のオリーブオイル」「高品質なオリーブオイル」の基準と選び方を解説しました。

日本と海外ではオリーブオイルの規格が異なるため、“本物”とは呼べないオリーブオイルも多数販売されています。

そんな数あるオリーブオイルの中から、本物(国際基準のエクストラバージンオリーブオイル)を選ぶポイントは以下の4つ

  • 容器が遮光素材
  • 酸度0.8%以下
  • オーガニック(有機栽培)のオリーブ使用
  • 品評会で受賞歴がある

これらを基準にオリーブオイルを探すと、国際基準を満たした高品質のオリーブオイルが選べますよ。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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