最近話題の「ケトジェニックダイエット」。
さまざまな情報を元に取り組んでみたものの、いまいち効果が実感できずに悩んでいませんか?
実は、ケトジェニックダイエットの効果が出ない原因は「脂質不足」かもしれないんです。
本記事では、ケトジェニックダイエットにおける脂質の役割と摂取量の目安、おすすめの脂質などを紹介します。
ケトジェニックと脂質の関係を理解すれば、ダイエットを成功に導けますよ。
ぜひ参考にしてみてください!
目次
そもそもケトジェニックダイエットとは?
ケトジェニックダイエットとは、体の脂肪をエネルギーとして消費することで、体脂肪を効率的に減らしていくダイエット方法です。
体脂肪をエネルギーとして使うためには、体のエネルギー回路を脂質中心のものに変える必要があります。
一般的に、私たちの体を動かしているのは糖質中心のエネルギー回路。
しかし体内の糖質が枯渇すると、体は筋肉を分解するエネルギー回路を経て、脂質中心のエネルギー回路に切り替わります。
脂質中心のエネルギー回路になると、食べ物の脂質に加え、体脂肪もエネルギーとして使われ始めるのです。
このように脂質をメインエネルギーとして活用する状態を「ケトジェニック」、ケトジェニックで痩せることを「ケトジェニックダイエット」と呼びます。
ちなみに脂質中心のエネルギー回路は「ケトン体回路」、ケトン体回路で生み出されるエネルギー物質のことを「ケトン体」というんですよ。
ケトン体については【ケトジェニックでも注目の「ケトン体」とは?詳しく解説!】の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
ケトジェニックダイエット中に脂質が不足するとどうなる?
体をケトジェニックにするためには、体内から糖質を枯渇させること、つまり糖質制限が必須です。
糖質は人間にとって大切な三大栄養素のひとつ。
糖質を減らした分は、脂質で補う必要があります。
この点を勘違いして糖質と脂質を両方減らしてしまうと、以下のような症状に陥ってしまうので注意しましょう。
- 筋肉が減って代謝が落ちる(筋肉を分解してエネルギーを得ようとするため)
- エネルギー不足で力が出ない
- 脳のエネルギー源が減って頭が回らない
「脂質ではなくタンパク質で補ってはいけないのか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、タンパク質は主に筋肉の材料。
糖質や脂質ほど効率よくエネルギーにはならず、なおかつエネルギーとして使われると筋肉が合成されないため、筋肉量が減ってしまいます。
このことからケトジェニックダイエット中は、糖質を減らす代わりに十分な量の脂質を摂る必要があるのです。
どのくらいの脂質を摂ればいいの?
糖質の代わりに脂質を摂る必要があるケトジェニックダイエット。
では具体的に、どのくらいの脂質を摂れば良いのでしょうか。
さまざまな説がありますが、一般的には脂質を含め以下のようなバランスが目安とされています。
【1日のエネルギー摂取量を100%とした場合】 |
タンパク質……30% 脂質……60% 炭水化物(糖質)……10% |
【1日の摂取カロリーを1500kcalとした場合】 |
タンパク質……113g 脂質……100g 炭水化物(糖質)……38g |
「脂質100g」と聞くと摂るのが大変に感じますが、実は炒め油を使ったり牛や豚のバラ肉を食べたりすれば、あっという間にクリアできてしまう量。
しかし、脂質中心のケトジェニックダイエットだからといって、脂質であればなんでも良いわけではありません。
健康を維持しつつケトジェニックダイエットで痩せるためには、できるだけ良質な脂質を摂ることが大切です。
続いては、ケトジェニックダイエット中におすすめの良質な脂質を3つご紹介します。
ケトジェニックダイエットにオススメの脂質3選
ケトジェニックダイエット中におすすめの脂質は、以下の3種類です。
- 亜麻仁油・えごま油
- オリーブオイル
- MCTオイル
それぞれの油の特徴・効果を詳しく解説します。
亜麻仁油・えごま油
一つ目のおすすめは「亜麻仁油」と「えごま油」。
亜麻仁油は「アマ」という花の種から取れる油で、えごま油は「えごま」から取れる油です。
どちらの油もα-リノレン酸(オメガ3系脂肪酸)の含有量が多く、血栓や動脈硬化の予防に効果が期待できます。
また、亜麻仁油にはポリフェノールの一種である「リグナン」という女性にとって嬉しい成分が含まれています。
リグナンは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするため、更年期障害が緩和されたり、髪や肌に潤いが戻ったりする効果が期待できるんですよ。
亜麻仁油とえごま油は熱に弱いため、生食するのがおすすめ。
1日に必要なオメガ3系脂肪酸を摂取したい場合は、
- 成人男性(18〜49歳)……1日4g(小さじ1)
- 成人女性(18〜49歳)……1日3.2g(小さじ1弱)
を目安に摂るようにしましょう。
オリーブオイル
二つ目のおすすめは、体に良い油の代名詞「オリーブオイル」。
オリーブオイルに多く含まれているのは、オメガ9系脂肪酸である「オレイン酸」です。
オレイン酸は善玉コレステロールを減らさず、悪玉コレステロールだけを減らしてくれます。
そのため動脈硬化・高血圧の予防、心疾患リスクの低減に効果が期待できるんです。
ケトジェニックダイエット中は、オリーブオイルも積極的に取り入れていきましょう。
MCTオイル
三つ目のおすすめは、ケトジェニックダイエットには欠かせない「MCTオイル」。
MCTオイルには、ココナッツやパームフルーツから抽出される中鎖脂肪酸だけが使われています。
主な特徴は消化吸収の早さ。
一般的な油に含まれる長鎖脂肪酸と比べて4倍早く消化吸収されるため、脂肪として蓄えられにくく、エネルギーとして素早く使われます。
またケトジェニックダイエットにとって重要なポイントは、「ケトン体」の生成を促す働きがあるということ。
研究では一般的な油を摂取したときと比べて、同量のMCTオイルを摂取したときのほうが、約10倍多くケトン体を生み出すことがわかっています。
ケトジェニックダイエットの肝であるケトン体回路を活発にするためにも、ぜひMCTオイルを積極的に取り入れましょう!
普段の食事にプラスオイルで健康的にダイエット!
ケトジェニックダイエットでしっかりと脂質量を確保するためには、普段の食事にオイルをちょい足しするのがおすすめです。
おすすめの摂り入れ方は以下のとおり
- ご飯に混ぜる
- サラダにかける
- 飲み物に混ぜる
ご紹介したおすすめの油はどれも料理に使いやすいので、ぜひ積極的にちょい足ししてみてくださいね。
ケトジェニックダイエットの成功例
ここまで、ケトジェニックダイエットで重要な「脂質」について解説してきました。
しかし、まだまだ「本当にケトジェニックダイエットで痩せるのだろうか」と感じている方もいらっしゃるでしょう。
そこで、当店のスタッフが実際にケトジェニックダイエットをおこなったときの様子を、簡単にご紹介します。
結果は1ヶ月で5kgの減量に成功!
基本的に以下のような食生活を送っていました。
朝:バターコーヒー、プロテインバー
昼:MCTオイル入りプロテインドリンク
夕:好きな食事(「低糖質・高タンパク・高脂質」を意識)
グラスフェッドバターとMCTオイルで作る「バターコーヒー」は、良質な脂質が豊富で朝食の置き換えにぴったり。
上記に加えて適度な運動をおこなうと、よりダイエット効果が高まりますよ。
ケトジェニックダイエットの注意点
ケトジェニックダイエットに取り組むときは、脂質の摂取量以外にも注意すべき点があります。
それは長期間おこなわないこと。
正しい方法でケトジェニックダイエットに取り組んでも、長期的におこなうことで以下のようなデメリットが生じる場合があります。
- 筋肉量の低下
- 代謝の低下
- 糖質への反応力(耐糖能)の低下
- 糖質摂取時のリバウンドリスク上昇
おこなう期間の目安は、長くても3ヶ月ほど。
3ヶ月目以降は緩めの糖質制限や、別の食事管理方法に移行しましょう。
まとめ
体のエネルギー回路を脂質中心にするケトジェニックダイエットでは、脂質の摂取量がダイエット成功の鍵。
脂質が不足することによって起こる症状は以下のとおりです。
- 筋肉の減少
- エネルギー不足による体力低下
- 脳のエネルギー源不足による思考力の低下
脂質を十分に摂ると、体にしっかりとエネルギーが供給され、体脂肪が効率的に燃えていきますよ。
目標は1日のエネルギー摂取量のうち、60%を脂質で摂取すること。
また、やみくもに脂質を摂取するのではなく、MCTオイルや亜麻仁油など、できるだけ良質な脂質を意識して摂るようにしましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!