「オイルを知ろう」の2回目は、良質なオイルを知るために、「脂肪酸」についてご紹介します。
脂肪酸は脂質の構成成分ですが、この脂肪酸に関する知識はダイエットをする上でとても重要なポイントになります。
「ダイエットを効率良く進めたい」という方は、ぜひここで脂肪酸の知識を押さえてください。
目次
そもそも「脂肪酸(しぼうさん)」ってなに?
「脂肪酸」は、炭素・水素・酸素が鎖状につながった物質です。</
「脂質」を構成する成分で、食品中の9割が「脂肪酸」でできています。
肉の脂肪や牛乳の脂肪、魚の油、植物油など、一見違った脂肪に見えますが、その成分はほとんど「脂肪酸」なんです。
そして「脂肪酸」は、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」のふたつに大別されます。
まずは「飽和脂肪酸」について詳しくご説明していきましょう。
「飽和脂肪酸(飽和脂肪酸)」とは?
「飽和脂肪酸」は、炭素の結合の手が全部水素とつながり、まさに飽和状態にある安定した「脂肪酸」。
「飽和脂肪酸」は、炭素数(鎖の長さ)によって、「長鎖脂肪酸」と「中鎖脂肪酸」と「短鎖脂肪酸」の3つに分類されます。
- 長鎖脂肪酸…主に肉類に含まれ、消化吸収が遅く、体に蓄積されやすい
- 中鎖脂肪酸…主にココナッツオイルに含まれ、素早く消化吸収され、体に蓄積されにくい
- 短鎖脂肪酸…主に乳製品に含まれ、消化吸収されやすく、体に蓄積されにくい
「飽和脂肪酸」は体によくない油と言われることがありますが、必ずしもそうではないこと、わかりますね。
しかし、注意すべきなのは「長鎖脂肪酸」。
溶ける温度が高く、常温では固体で存在しているので、体の中でも固まりやすくなります。
肉の脂やバター、ラードは「長鎖脂肪酸」を多く含んでいます。
過剰摂取すると中性脂肪と血中のコレステロール値を増加させ、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞の原因となる高脂血栓を誘発する恐れが。
一方、「短鎖脂肪酸」や「中鎖脂肪酸」は腸内環境を改善したり、ダイエットに活用できたり、脳機能の改善効果があったりと、健康維持や増進に積極的に摂取するべき脂肪酸なのです。
今、特に注目されているのが「中鎖脂肪酸」です。
では次に「中鎖脂肪酸」について、詳しく説明していきます。
飽和脂肪酸には3つの種類がある
飽和脂肪酸は、脂肪酸(炭素構成)の長さによって下記の3種類に分類されています。
- 短鎖脂肪酸
- 中鎖脂肪酸
- 長鎖脂肪酸
飽和脂肪酸は一般的に「体にあまり良くない」と言われていますが、必ずしもそうではありません。
飽和脂肪酸の3種類について詳しく見ていきましょう。
短鎖脂肪酸の特徴:腸内の善玉菌の生成を促す
短鎖脂肪酸は、脂肪酸(炭素構成)が短い(2~6)脂肪酸です。
大腸の腸内細菌によって作られる脂肪酸で、腸内の善玉菌の生成を促し、悪玉菌を減少させる働きがあります。
さらに、腸内の殺菌・静菌、ウィルス侵入のバリアするという働きもあることから、腸の守護神とも呼ばれています。
短鎖脂肪酸に分類される、酪酸やカプロン酸は主にバターなどに多く含まれています。
中鎖脂肪酸の特徴:体内に脂肪として蓄積されにくい
中鎖脂肪酸は、脂肪酸(炭素構成)が8~10の脂肪酸です。
中鎖脂肪酸の最大の特徴は、消化されるのが早く、スピーディーにエネルギーに変換されるため、体脂肪として蓄積されにくいことです。
中鎖脂肪酸は、母乳や乳製品に多く含まれていますが、ヤシやパームといった植物から取れる油(MCTオイル)が最も効率よく摂取できます。
長鎖脂肪酸の特徴:比較的体内に蓄積されやすい
長鎖脂肪酸は、脂肪酸(炭素構成)がの長い(12~18)脂肪酸です。
リンパ管経由で吸収され、鎖骨下静脈から血管を通り前身へ運ばれるため、中鎖脂肪酸と比較して吸収が遅く、体脂肪として体内に蓄積されやすいという特徴があります。
長鎖脂肪酸は主に肉類に多く含まれています。
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の違いは?
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の違いは以下のとおりです。
- 飽和脂肪酸:一般的にに固形で動物性脂肪(乳製品や肉など)に多く含まれます。主な構成成分は、パルミチン酸、ステアリン酸などです。
- 不飽和脂肪酸:常温で液体で、植物油に多く含まれます。主な構成成分は、EPA(イコサペンタエン酸)、DHA (ドコサヘキサエン酸)、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸で、これらは必須脂肪酸と呼ばれる体内で作ることができない成分です。
「中鎖脂肪酸」がダイエットに注目されている理由とは?
中鎖脂肪酸は、MCT(Medium Chain Triglyceride)オイルと呼ばれそのダイエット効果が注目されています。
中鎖脂肪酸は、一般的な食用油に含まれる長鎖脂肪酸に比べ分子量の長さが短く、分解・消化されやすいという特徴があります。体内で素早くエネルギーに変換されるため、体脂肪として体内に蓄積されにくいのです。
さらに、脂肪の燃焼を助ける働きもあるため、ダイエットの見方として注目されるようになりました。
中鎖脂肪酸はどう体にいいの?
「中鎖脂肪酸」は、ココナッツやパームフルーツなどに含まれ、母乳や牛乳などにも含まれている天然成分です。
「中鎖脂肪酸」の最大の特徴は、迅速で優れた消化吸収能力。
「長鎖脂肪酸」は、リンパ管や静脈を通って脂肪細胞や筋肉、肝臓に運ばれて分解・貯蔵されるのに対し、「中鎖脂肪酸」は直接肝臓へ運ばれ素早く分解されます。
消化酵素や胆汁酸の力を借りなくてもきちんと消化されるので、体にも負担がかからず効率的にエネルギー源になります。
脂肪として溜まりにくいことからダイエットの強力なサポーターだけではなく、消化吸収の速さや代謝のよさから持久力保持を目的にアスリートにも注目されています。
さらに、ここ数年の間に、「中鎖脂肪酸」は脳の健康にも役立つということが様々な研究によっても明らかになってきているんです。
「中鎖脂肪酸」を多く含むオイルの代表といえば「ココナッツオイル」。
「ココナッツオイル」には約60%の中鎖脂肪酸が含まれているのですが、仙台勝山館のMCTオイルは、なんと「中鎖脂肪酸100%」なんです。
またにおいや味がないので、普段の食事に気軽にプラスしやすいのも特徴です。
今回は「飽和脂肪酸」の中の「中鎖脂肪酸」をうまく活用すれば、ダイエットや健康や運動に役立つことをご紹介してきました。
次回は、「不飽和脂肪酸」についてご紹介していきましょう。
糖質制限×中鎖脂肪酸の相乗効果で「痩せ体質」へ
ダイエットの味方として注目されている中鎖脂肪酸(MCTオイル)ですが、ただ摂取すれば良いというわけではありません。
中鎖脂肪酸と最も相性が良いのが糖質制限ダイエットです。
普段の食生活から糖質を制限することで、脂肪が燃えやすく体質に変えることができます。
その脂肪燃焼を大きく助けるのが中鎖脂肪酸(MCTオイル)です。
この糖質制限と中鎖脂肪酸(MCTオイル)を組み合わせたダイエットをケトジェニックダイエットいいます。
ケトジェニックダイエットについて詳しく知りたい方はこちらかご覧ください。
「1ヶ月で-2.5kg!ケトジェニックダイエットとは?正しいやり方や注意点を紹介!」
まとめ
飽和脂肪酸は分子量の長さによって、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の3種類に分類されています。
- 長鎖脂肪酸…主に肉類に含まれ、消化吸収が遅く、体に蓄積されやすい
- 中鎖脂肪酸…主にココナッツオイルに含まれ、素早く消化吸収され、体に蓄積されにくい
- 短鎖脂肪酸…主に乳製品に含まれ、消化吸収されやすく、体に蓄積されにくい
中でも、素早く消化吸収され、体に蓄積されにくいという特徴を持つ中鎖脂肪酸はダイエットの心強い味方として注目を集めています。
糖質制限ダイエットと組み合わせることで高いダイエット効果が得られるので、これからダイエットを考えている方におすすめです。