食事の際に「食べる順番」が重要とよく聞きます。
気軽にできることから「食べる順番ダイエット」がテレビで特集されたりしていますね。
今回は、「食べる順番」がどう体にいいのか、詳しくご紹介してきましょう。
どういう順番がいいの?
以下のような「食べる順番」が良いといわれています。
- 野菜(海藻・キノコ類含む)やスープ
- タンパク質(肉・魚・卵・大豆食品など)
- 炭水化物
- (食べるなら)デザート
よく見ると、コース料理の順番と似ていますね。
なんとなく野菜やスープを先に食べることにより満腹感が出て、高カロリー炭水化物を食べ過ぎないというイメージの人も多いかもしれません。
もちろん、この理由も当てはまるのですが、実はこの順番には、「血糖値の急激な上昇を防ぐ」効果があるんです。
では次に、なぜ血糖値の上昇を抑えられるのかを説明していきましょう。
最初に食べるのは食物繊維
野菜や海藻、キノコ類を先に食べると、なぜ血糖値の上昇が抑えられるのかというと、それらに含まれている「食物繊維」が「糖質」の吸収を抑え、血糖値の急上昇を防いでくれるからなんです。
そもそも、空腹状態でごはんやパンなどの「糖質」の多い食品を食べると、血糖値が急上昇し、それを元に戻そうと大量の「インスリン」が分泌されます。
「インスリン」は、血糖を筋肉細胞などに取り込んでエネルギーに変えてくれますが、同時に脂肪を蓄えやすくする働きも持っていることは、今までもご紹介してきました。
そこで、「糖質」が少なく「食物繊維」の多い野菜や海藻、キノコ類を最初に食べることで、血糖理が緩やかに上昇し、「インスリン」も適量に分泌され、糖はエネルギー源として体内で効率よく消費されるんです。
血糖値が高くなってしまうと、糖尿病、動脈硬化や心筋梗塞、肝硬変などの病気のリスクが高まってしまいます。
さらに、血糖値が高いと、老化を促進する原因として注目されている「糖化」を促してしまうことも最近の研究で分かってきました。
「糖化」は、たんぱく質や脂質が糖と結びつくこと。
血液中に余分な糖分があると、体内のたんぱく質や脂質と結びついて、老化促進剤であるAGE(糖化最終生成物)という老化物質を作り出します。
AGEは分解されにくく、蓄積が多くなると肌や髪、骨などの全身の老化を進行させ、動脈硬化や白内障、アルツハイマーとの関連も指摘されています。
つまり、「食べる順番」のルールを守ることは、ダイエットだけではなく、アンチエイジングやさまざまな病気のリスクを減らすことにつながるんですね。
以前ご紹介した「食物繊維」に関するコラムも合わせてチェック!
コラム:『意外と知らない?!食物繊維のちから』
糖質制限ダイエットでも有効なの?
「食べる順番」のルールは、「糖質制限ダイエット」でも有効です。
「糖質」を減らしているのに、効果がないと感じている場合は、
①食物繊維→②タンパク質→③炭水化物
の順番を意識してみましょう。
「糖質制限ダイエット」の場合、食べる順番のルールは、「糖質」が少ないものから食べることが重要です。
例えば、冒頭で紹介した最初に食べていいとされている「スープ」ですが、カボチャやジャガイモ、サツマイモなどのポタージュ系は、「糖質」が多く含まれています。
「糖質」が多いものは避けることが1番いいのですが、飲みたい場合は、糖質の少ない野菜を食べてから、ポタージュを飲むか、③のタイミングにするなど、工夫をしてみてください。
普段の生活や「糖質制限ダイエット」に「食べる順番」を意識して摂り入れて、無理のないダイエットを続けてくださいね。