体の脂肪をエネルギーとして消費して、体脂肪を効率的に減らしていく「ケトジェニックダイエット」。
そのなかで鍵となるのが「ケトン体」という物質です。
しかし「ケトン体」といわれても、普段聞き慣れない物質で一般人にはわかりにくいですよね。
調べてみても、出てくるのは難しい化学式や堅い文章ばかり……。
本記事ではそんなお悩みを解決すべく、注目の「ケトン体」をわかりやすく・詳しく解説します。
目次
ケトン体とはどんな成分?
一般的に、私たちの体のエネルギーとなるのは「ブドウ糖」です。
本記事でご紹介するケトン体とは、ブドウ糖に代わって体のエネルギーとして使われる物質のこと。
体内で産生されるものには「アセト酢酸」「β-ヒドロキシ酪酸」「アセトン」の3種類があり、これらを総称してケトン体と呼んでいます。
しかしケトン体は、常に体内で産生されている物質ではありません。
体内の糖質が枯渇し、脂肪がエネルギーとして代謝されるときに、肝臓の細胞で産生されるんです。
どんな働きがあるのか?
ケトン体は、主に体内で筋肉や脳のエネルギー源として使われます。
ケトン体に含まれる物質は、以下の3つ。
- アセト酢酸
- β-ヒドロキシ酪酸
- アセトン
この3つのうち、筋肉や脳のエネルギーとして使われるのは「アセト酢酸」と「β-ヒドロキシ酪酸」の2つです。
これらは肝臓の細胞で産生されたあと、血流にのって全身で利用されます。
またケトン体は脳にとっては特別な物質。
ブドウ糖が体内から枯渇したとき、ケトン体だけが脳のエネルギー源となるのです。
なおケトン体のうち、「アセトン」はエネルギーとしては使われず呼気から排泄されます。
ケトン体が産生される流れ
先述したとおり、ケトン体は体内の糖質が枯渇して、脂肪がエネルギーとして使われるときに産生される物質です。
「脂肪がエネルギーとして使われるとき」というのは、エネルギーを生み出す回路である「ケトン体回路」が働いている状態。
つまり「ケトン体回路」が働くと、ケトン体も産生されるのです。
ここからはケトン体が産生される流れを、
- ケトン体回路が働くまで
- ケトン体を生み出すまで
の2ステップに分けて簡単に解説します。
ケトン体回路が働くまで
体は糖質不足が続くと、肝臓のグリコーゲンを使ったり筋肉を分解したりして、エネルギーとなるブドウ糖を生み出します。
しかし肝臓に蓄えられるグリコーゲンの量は、18〜24時間ほどで使い切ってしまう程度。
筋肉を分解するエネルギー回路も、長く活動できるほど多くのブドウ糖は生み出せません。
やがて体は「エネルギーが足りない!このままでは危険だ!」と判断。
なんとか体を動かし続けるために、体のエネルギー回路をケトン体をエネルギーとして使うシステム(=ケトン体回路)に切り替えます。
ケトン体を生み出すまで
ケトン体回路が働き出すと同時に、体内ではケトン体が生成され始めます。
ケトン体が生成される段階は、以下のとおり。
体内の糖質が枯渇して、ケトン体回路が働き出す
↓
脂肪が分解され、血液にのって肝臓に運ばれる
↓
肝臓の細胞で、脂肪がさらに小さな物質まで分解される
↓
分解された脂肪からケトン体
(アセト酢酸・β-ヒドロキシ酪酸・アセトン)が作られる
少し詳しく解説しましたが、簡単に言えば中性脂肪が分解され、肝臓で「ケトン体」というエネルギーに生まれ変わるということです。
ケトン体回路では、体内の中性脂肪からエネルギーが作られるほか、食べ物に含まれる脂質からもエネルギーが作られます。
ケトン体が最近注目されている理由
ここ数年、ケトン体やケトジェニックダイエットは注目され続けています。
これほど注目される理由は、ケトン体が「脂肪から作られるエネルギー物質」だから。
ケトン体の材料は、食べ物に含まれる脂質や体の脂肪細胞にある中性脂肪。
つまり体のメインエネルギーをケトン体にすれば、脂肪をエネルギーに変える自家発電のような体質になれるのです。
ケトン体回路が活発になるほど、余分な脂肪がどんどんエネルギーとして使われていきます。
余分な脂肪だけを効率的に減らせるなんて、こんな理想的なことはありませんよね。
ダイエット×ケトン体で理想の痩せ体質へ
ケトン体は、体の脂肪から作られるエネルギー物質。
そんなケトン体を生み出されるのは、体内から糖質が枯渇したタイミングです。
体内で糖質が枯渇し続ければ、そのぶん脂肪からケトン体が産生され、ケトン体回路が活発に働きます。
「糖質が枯渇し続ける」状態にするためには、糖質制限をおこなうことが必須です。
糖質制限ダイエットを同時におこなうことで体内でケトン体が産生され、効率的に脂肪が燃える痩せ体質ができあがります。
ダイエットをスムーズに進めるためにも、ぜひケトン体を味方につけましょう!
まとめ
ケトン体とは、ブドウ糖に代わって体のエネルギーとして使われる物質です。
ケトン体を生成する材料は体の脂肪。
そのため体のメインエネルギーをケトン体にすれば、体脂肪が効率的に燃える「痩せ体質」が手に入ります。
ケトン体を使うエネルギー回路(ケトン体回路)を動かすための具体的なステップは、「脂肪を狙い撃ち!ケトン体回路とは?誰でも簡単に切り替える方法も紹介」の記事で詳しく解説しています。
ぜひ本記事とあわせてご一読ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!