10月の1カ月間は「オイルを知ろう」と題し、オイルの魅力をお伝えしています。
前回まで、脂肪酸について詳しくご紹介してきました。
今回は、2回目で触れた「中鎖脂肪酸」の脳への働きをもう少し掘り下げて学んでいきましょう!
▼第2回のコラムはこちら
「オイルを知ろう vol.2~脂肪酸の中の「飽和脂肪酸」とは?~」
目次
MCTオイルは脳に良いって本当?
認知症の最大要因である「アルツハイマー病」。
65歳以上の4人に1人が認知症患者もしくは予備軍だと言われています。
さらに、高齢者に限らず、若年層でもアルツハイマー病にかかってしまう人も少なくありません。
しかし、近年の研究により、MCTオイルがアルツハイマー病の予防に効果があると分かってきました。
アルツハイマー病の予防・改善に効果について紐解きながら、MCTオイルがどのように脳に良いのか見ていきましょう。
ケトン体はブドウ糖に代わる第二の脳エネルギー!
アルツハイマー病の特徴の1つとして「脳のエネルギー不足」が挙げられます。
脳が上手くブドウ糖を取り込めず、エネルギー不足になるためどんどん脳細胞の機能が衰えていきます。
そこで「ケトン体」が代わりのエネルギー源になると注目されています。
ちなみに、ケトン体は、体内で脂肪が分解されたときなどに生成される物質のことです。
脳はこれまでブドウ糖が唯一のエネルギー源とされてきました。しかし、アルツハイマー型認知症になると、脳では、ブドウ糖を代謝するためのインスリンが働きにくくなり、ブドウ糖をうまく利用できなくなります。そのため、エネルギー不足になり、脳が十分に働かず、認知機能の低下をもたらすことになるのです。
そんなブドウ糖に代わって脳のエネルギー源として注目されるようになったのがケトン体です。ケトン体によって脳のエネルギー不足を補うことで、認知機能が向上する例も確認されるようになっています。
引用:「認知症ネット」https://info.ninchisho.net/archives/27948
MCTオイルは、脳のエネルギーになる「ケトン体」の生成を促進する
MCTオイルには脂肪を燃えやすいカラダにするほか、体内で分解されやすく素早くエネルギーに変換されるといった特徴があるため、ブドウ糖に代わるエネルギーであるケトン体の生成を促進できます。
そもそもアルツハイマー型認知症って?
「アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)」は、簡単にいうと、神経細胞が変性して脳が委縮する病気です。
もう少し詳しくいいますと、脳の中に「アミロイドβタンパク」とよばれるタンパク質が蓄積し、老人斑というシミができて、認知機能が障害される病気になります。
「アミロイドβタンパク」は、脳全体に溜まるのですが、特に側頭葉に多く蓄積。
側頭葉には記憶に関わる「海馬」があることから、短期記憶(最近の出来事など)の機能が著しく障害されるため、思考力や記憶力、認識力などに障害が生じてしまうんです。
最初は、「もの忘れ」に近い症状から始まることが多いため、アルツハイマー病の見分けがつかないことも多いと言われています。
また、「脳への栄養不足」が原因とも言われています。
脳のメインエネルギー源は「ブドウ糖」ですが、その「ブドウ糖」を細胞内の取り込むにはインスリンが必要となります。
しかし、アルツハイマー病の場合は、脳にインスリン欠乏が起き、脳内でインスリン抵抗性が発生することが分かっています。
つまり、脳内でインスリンが使えないと、神経細胞は「ブドウ糖」をエネルギーとして使えなくなり、変性を起こしてしまうのです。
では、「脳の栄養不足を解消」するにはどうしたらいいのでしょうか?
MCTオイルがケトン体を生成するメカニズム
新たな脳の栄養源として注目されているのが「ケトン体」です。
「ケトン体」は、体内に「ブドウ糖」が不足してしまったとき、肝臓で作られます。
脳にとって「ケトン体」は、「ブドウ糖」に替わるエネルギー源なんです。
ということは、「ブドウ糖(糖質)」を摂らなければいいのでは?と思いますが、現代の食生活で「糖質」を完全にカットするのは難しいですよね…。
しかし、「ブドウ糖」が体内にあるときでも、「ケトン体」を効率的に作り出す成分があります。
その正体は、摂取後、直接肝臓まで運ばれる「中鎖脂肪酸」!
「中鎖脂肪酸」は消化吸収が早く、体内での代謝が優先されるので「ケトン体」の生成に役立つのです。
つまり「中鎖脂肪酸」は、脳の栄養不足の救世主になり得るということです。
MCTオイルは中鎖脂肪酸100%
ブドウ糖が体内にある状態でもケトン体を効率よく作り出す中鎖脂肪酸ですが、MCTオイルは中鎖脂肪酸100%のオイルです。
そのため、ケトン体の生成をより効率よく行うことができます。
中鎖脂肪酸は短時間でケトン体を生み出す
中鎖脂肪酸は体内で非常に吸収されやすく、短時間でケトン体を生み出せるという特徴があります。
長鎖脂肪酸がケトン体を生み出す速さの4~5倍も短時間でケトン体を生成できるといいます。
MCTオイルはどうやって摂取すればいい?
アルツハイマー病に有効なMCTオイルですが、摂取する際のポイントは以下の2つです。
- 初心者は小さじ1杯(5g)~大さじ1杯(15g)から
- 飲み物や食べ物に掛けて摂取する
それぞれのポイントについて詳しく説明していきます。
初心者は小さじ1杯(5g)~大さじ1杯(15g)から
MCTオイルを一度に大量摂取すると胃に負担をかけたり、お腹が緩くなるケースがあるため、初めて飲むという方は少しずつ摂取しましょう。
MCTオイルの摂取量の目安は以下のとおりです。
- 1日1~3回
- 1回あたり 小さじ1(5g)~大さじ1(15g)
飲み物や食べ物に掛けて摂取するのがオススメ
MCTオイルはそのまま飲んでも問題ありませんが、無味無臭なので飲み物や食べ物に掛けて摂取するのがオススメです。
飲み物であればコーヒーや牛乳、味噌汁、食べ物であればサラダや炒めもの肉料理など、さまざまな飲み物・食べ物と一緒に摂取できます。
簡単♪MCTオイルを使った美味しいレシピ
ここでは、MCTオイルを使った簡単で美味しいレシピを紹介します。
コクが出てさらに美味しく♪MCTオイル入り納豆ご飯
納豆にMCTオイルを加えただけですが、コクが出て美味しく召し上がれます。
MCTオイルはプラスチック容器を変形させてしまう性質があるので、混ぜる際はお皿やボールに移してください。
【用意するもの】
- MCTオイル:小さじ1(5g)~大さじ1(15g)
- 納豆:1パック(タレ付き)
- 温かいご飯:適量
【作り方】
- 納豆にタレをかける
- MCTオイルを入れて混ぜる
- 温かいごはんの上に2をかけて完成
レシピや作り方の詳細はこちらからご確認ください。
「コクが出てさらに美味しく♪MCTオイル入り納豆ご飯」
ごくごく飲める!MCTオイル入り飲むヨーグルト
ヨーグルトにMCTオイルを混ぜることで、さらにまろやかな口当たりになります。
混ぜるだけなので、バタバタする朝食におすすめです。
【用意するもの】
- MCTオイル:小さじ1(5g)~大さじ1(15g)
- 飲むヨーグルト:100cc~200cc
【作り方】
- のむヨーグルトをコップに入れる
- MCTオイルを入れよく混ぜて完成
レシピや作り方の詳細はこちらからご確認ください。
「ごくごく飲める!MCTオイル入り飲むヨーグルト」
混ぜるだけなのに本格的!簡単ごまドレッシング
MCTオイル入りのごまドレッシングです。
サラダにかければ満腹感がアップするのでおすすめです。
【用意するもの】
- MCTオイル:小さじ1(5g)
- すりごま:大さじ2
- (A)マヨネーズ:大さじ2
- (A)砂糖:大さじ1
- (A)酢:小さじ2
- (A)醤油:小さじ1
【作り方】
- すりごまを容器に入れる
- (A)をすべて入れ混ぜ合わせる
- MCTオイルを入れて混ぜて完成
レシピや作り方の詳細はこちらからご確認ください。
「混ぜるだけなのに本格的!簡単ごまドレッシング」
まとめ
MCTオイルを構成する中鎖脂肪酸は、ブドウ糖に代わり脳のエネルギーとなるケトン体の生成を促進させ、アルツハイマー病にも効果があります。
MCTオイルは、体内で吸収されやすくケトン体を短時間で生み出せるため、ダイエットにも効果的です。
- 初心者は小さじ1杯(5g)~大さじ1杯(15g)から
- 飲み物や食べ物に掛けて摂取する
といった飲み方のポイントを押さえ、脳にも体にも良いMCTオイルの効果を体感してみてください。
ケトン体の生成を助ける仙台勝山館MCTオイル
先ほど解説した通り、中鎖脂肪酸は、ケトン体の生成に役立ちます。
仙台勝山館のMCTオイルは、中鎖脂肪酸100%でできているオイルです。
無味無臭なので、毎朝のコーヒーに入れたり、ヨーグルトにプラスしたりと、日常の食事に気軽にプラスして栄養を補給することができ、メディアでも多数ご紹介をいただいております。
ぜひ、気になる方は商品をチェックしてみてくださいね。
また、「MCTオイル」と「DHA・EPA」が同時に摂れるサプリメントもあります。
「DHA・EPA」は、体内でつくることができない必須脂肪酸。細胞膜や神経細胞の構成成分であり、血液をサラサラにする効果があるといわれています。
気軽に飲めるカプセルタイプなのもいいところ。
ぜひ、気になる方はチェックしてみてください。
脳が元気であることは、健康であることの一つのバロメーター。
ぜひ、試してみてくださいね。
さあ、次回の「オイルを知ろう」で最終回を迎えます。
最後は、「オイルの活用法」を紹介していきます。
▼最終回のコラムはこちら
オイルを知ろう vol.5~そろえておきたい3本のオイルとは?~